それは無限の果ての地か、それとも真理の極北か。
薄暮とも、白夜ともつかない薄暗い場所に、まるで物言わぬ巨人の死体のように、城はひっそりと横たわっていた。
時折生ぬるい風が吹き、この世の終わりを告げるように、どこからか奇妙な鳥の鳴き声が響く。
だが、それさえも幻想的な美しさの中に溶け込み、不気味というよりは、どこか瀟洒で厳粛な雰囲気さえ漂わせている。
囚われの姫の牢獄、或いは狂った貴族の住処と言えば、もっとも似つかわしいだろうか。
石造りのその建物は、ところどころ苔生しており、どれほどの歳月を経たのかさえ分からない。
いくつかの尖塔を持ち、いくつかの窓は絢爛な装飾が施されているものの、目立たない場所の窓には鉄格子がはめられており、それが美しさの中に、どこか異質なものを感じさせる。
うっそうとした蔦の絡まる門が、まるで老人の骨が軋むような音を立てて開くと、眼前には良い具合に色つやの付いたマホガニーの扉が、おごそかに客人を歓迎する。
吸い寄せられるようにしてその前まで歩いていくと、音も無く扉は開く。
貴方はこの先で――